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【第10章】2 第1段切り(2) 「独占」記述の意味

 投稿者:*鬼薔薇  投稿日:2007年 3月21日(水)23時12分49秒
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  ところで、先行諸章を読み進んできた目には、なぜここ第10章であらためて「近代的独占」の諸特徴を挙げているのか、それは先行章の叙述の単なるサマリーにすぎないのか、それともそれ以上に独自の意味を含んでいるのか、という疑問を禁じ得ません。アンチョコ本の原田教授はそうした当然の疑問を捉えつつ、次のように述べております。

《なぜここで、いわばこと新しく独占の四つの姿態をあげたのか、その論理的意味についてである。これは単に自由競争から成長する独占ということが述べられたので、その独占の主要な姿態をあげておくというだけのものではない。…この第一段切りは、七章の第一規定にもとづいて独占が資本主義制度からより高度の社会=経済制度への過渡であるという点をとくにとりあげているのである。独占の過渡期性の基本的な内容は、すでに一章以来の分析に示されてきたように、独占のもとでの生産の社会化とその矛盾の激化(第三段切りで「変化しつつある社会的生産関係」と呼ばれているもの)である。ここではそのことが直接表現されてはいないけれども、自由競争を基盤としてそこから成長する独占は資本主義制度からより高度の社会=経済制度への過渡であるというのは、もとよりこのことを内容としている。ここで独占の主要な姿態がとくにあげられてくるのは、このような観点からであり、これらの独占の主要な姿態を通じて独占の過渡期性をなす生産の社会化とその矛盾の激化を明らかならしめようとしているのである。ここでの独占の四つの主要な姿態が、七章の帝国主義の五つの基本的標識と若干異なっているのも、このような観点から来ているのである》。

この指摘は、先に再確認しておいた“第1章からの全叙述を貫く「社会化」という視軸”に直接関わるものですね。そこに教授は第7章の「五つの基本的標識」との差違が含む意味をも見定めているわけです。

その「五つの基本的標識」とは何であったか。当該章の解読からすでにかなり時間も経っておりますことから、ここでその記述に立ち帰っておきましょう。第7章の冒頭でレーニンは帝国主義の「できるだけ簡単な定義」として「帝国主義とは資本主義の独占段階である」(岩p.147/国p.115/濤p.144)と述べた後、それが含む主要な内容をあらためて整理したのがかの「基本標識」であり、それをふまえて「帝国主義」範疇をあらためて定義し直したのでした。この章はわたしが報告担当でしたので、「五つの基本的標識」と関連部分のレポートを当時のログから再掲してみます。

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【第7章】2 第一段切り(2) 「5つの基本標識」と「帝国主義」の再定義 投稿者:鬼薔薇 投稿日: 〔2004年〕9月25日(土)23時02分47秒
〔前略〕
(1) 生産と資本との集積が、経済生活で決定的な役割を演ずる独占をつくりだすほどに高い発展段階に達したこと、
(2) 銀行資本と産業資本が融合し、この「金融資本」を基礎にして金融寡頭制がつくりだされたこと、
(3) 商品の輸出とは異なる資本の輸出がとくに重要な意義を獲得していること、
(4) 資本の国際的独占団体が形成されて、世界を分割していること、
(5) 最大の資本主義列強による地球の領土的分割が完了していること、
                    〔岩p.145-6/国p.115-6/濤p.145〕

上の各項とテキスト各章との対応は、あらためて申すまでもなく明瞭でございましょう。こうした「本質的な特徴」を導き出せるものとして、「帝国主義」はあらためて次のように定義しなおされます。

「帝国主義とは独占体と金融資本との支配が形成されて、資本の輸出が顕著な意義を獲得し、国際トラストによる世界の分割がはじまり、最大の資本主義諸国による地球の全領土の分割が完了した、そういう発展段階の資本主義である」(岩p.146/国p.116/濤p.145)。

これとて「帝国主義」の包括的な説明ではないことに注意すべきこと、このすぐ前に「定義というものはけっして現象の全面的な関連をその完全な発展のうちにとらえうるものではない」(岩p.145/国p.115/濤p.145)と注釈されているとおりでございます。「一般にすべての定義のもつ条件的で相対的な意義をわすれることなしに」(同)というとき、ではこの再定義はどうかといえば、これは「基本的な純経済的概念」に「限定されている」(岩p.146/国p.116/濤p.145)のですね。ですから、視点を変えればまた別な定義が可能な道理で、「あとで見るように、……資本主義一般にたいする資本主義のこの段階の歴史的地位とか、あるいは労働運動の内部における二つの基本的傾向と帝国主義との関係とかを念頭におけば、帝国主義についてこれとは違った定義をすることができるし、またしなければならない」(前同)と、後段でまた別な定義が出てくることを予告しております。
〔後略〕
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ここ第10章の「独占の4つの主要な姿態」を上の「五つの基本標識」と比較対照しながら、先の原田コメントを玩味したく思います。
 

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